大阪府における「災害に強い都市づくり」

平成7年1月17日未明に発生した阪神・淡路大震災は、6,000人を超える死者と10兆円にも及ぶ社会資本の消失という戦後最大の被害をもたらし、自然災害の脅威とこれに対する都市の脆弱性を再認識させるものであった。

 大阪府では、都市直下に多くの活断層が存在する上、阪神間以上に過密化し都市規模も大きい状況に鑑み、今回の大震災の教訓を踏まえた災害に強い都市づくりをあらためて推進することとした。

 具体的な取り組みとして、平成8年度末に、大規模地震の発生にも迅速に対応できるよう4つの活断層による直下型地震と南海トラフにおける海溝型地震を想定した「地域防災計画」の抜本的な見直しを行った。

 また、ハード・ソフト両面にわたる、総合的な防災機能整備の指針となる「災害に強い都市づくり計画」の策定に向け、全庁的な検討を実施してきた。

 とりわけ、基盤整備など都市づくりの根幹を担う土木部においては、災害に強い都市基盤施設の整備方針、土木構造物の耐震化対策、土砂災害危険箇所の指定について、専門家による検討委員会を各々設置し、その成果を地域防災計画等に反映してきた。

 さらに、これらの検討と並行して、平成8年4月に、庁内関係部局による「災害に強いすまいとまちづくりの促進会議」を設置し、建物倒壊や火災の可能性の高い木造密集市街地を一定の条件で抽出し、この中で建築物の不燃化・耐震化の促進と住宅・住環境や都市基盤施設の総合的な整備を進めるため、「災害に強いすまいとまちづくりの促進区域」を市町村と協議の上で指定したところである。

 本稿では、災害に強い都市づくりの取り組みとして、特に重要と考えられる「安全軸と安全生活圏の形成」、「木造密集市街地の再生方策」について、重点的に記述することとする。

 
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